いわゆる児童文学というジャンルの読物が出てきたのは1744年、ジョン・ニューベリーという人がロンドンで開いた子ども専門書店が始まりといわれています。それまでは世界中どこにも児童書を出版するという発想がなかったのですね。その本屋さんは、今まで大人だけの楽しみだった読書を子ども達にも…と思ったのでしょ う。当時の書物はとても立派な装丁で大きかったのを、子どもが手に持って読めるようなポケットサイズに作り直したりして出版を始めました。
その多くが昔話だったりマザーグースのようなわらべ唄でしたが、中には当時の流行作家に書き下ろしてもらったりしていたそうです。
では、ニューベリー書店が出来る前は、子どもたちは本を読まなかったかというと、そんなことはなくて大人の本棚から勝手に面白そうな本を持ち出してきては読んでいたそうです。(こういう時、英語は便利です。知らない単語や言い回しの難しさはあっても、なんとか読むことは出来そうです。日本では戦後、大人向けの本の漢字にルビを振らなくなったことが、逆に子どもの読書の選択が狭まってしまった一因になったような気がします。)
そんな中に、ジェイムズ・ジャコブスの「イギリス童話集」、ジョン・バンヤンの「天路歴程」、デフォーの「ロビンソン・クルーソー漂流記」、スウィフトの「ガリバー旅行記」などがありました。
どれも、今では古典児童文学の名作となっていますが、内容が分かりやすくて面白ければ、大人に限らないということはいつの時代も同じようです。
そのような読物を書き直したりして児童文学というジャンルがようやく出来たといえます。
次回は、十九世紀のイギリス児童文学事情を簡単にお話します。 |